京都修学旅行

二学年主任 小宮 初喜
十一月十九日(土)東京駅出発、三泊四日の修学旅行は、タクシーの運転手さんが「今年は気持ち悪いほど暖かい」と言う気候の中、好天にも恵まれて、無事終了した。皆が楽しみにしていた紅葉は、色づきの悪いまますでに落葉が進んでおり、東高の修学旅行期を知っている先生たちからは「残念」の声もあったが、生徒たちはそれなりに堪能したようであった。
二日目、三日目のうち一日は、生徒たちが和装になって班別研修に出かけて行った。女子の中には、早起きして互いに結い上げたお揃いの髪型も見られた。帯のきつさや足元の不自由さに戸惑いつつも、「楽しかった!」と言いながら宿に帰着してきた様子に、旅行企画と運営の労苦が報われたように思った。
一学年分の着物セット(足袋、履物、巾着手提げ付き)を貸し出し着付けする業者が着丈をもとに用意してくれていた着物は色も柄も様々であったが、どの生徒にもまるで誂えたように似合っていた。女子は少し大人の女性に、羽織を着た男子は凛々しく見え、宿に
帰ってからも私服に着替えたがらない生徒が多くいた。
三日目の夜は京都大学五名(高校在学時の陸上部三名、バスケ部一名、野球部一名)と大阪大大学院一名(吹奏楽部)の東高OB・OGが御殿荘に挨拶に来てくれた。卒業後も母校を誇りに思って訪ねて来てくれる点は流石である。
三連休中の京都は大混雑であった。二日目に私は、体調を崩した生徒を迎えにタクシーで聖護院から清水に向かったが、正味三・五キロ程に四五分もかかってしまった。三年坂は人波で小路髪の如く、かつ歩み登る人の声は、半分近くが中国語、韓国語、その他アジ
ア系であった。
十年程前までは京都を訪れた欧米の観光客の姿がテレビ等で盛んに取り上げられたが、現状が私には自然に思われる。数時間のフライトで来ることができる近隣諸国の人々と、ほんの一時にせよ、互いの文化の違いを肌で感じつつ触れ合うことは、日本にとってもプ
ラスなのだと考えたい。国際観光都市京都の懐の深さを垣間見たように思う。
アクシデントもハプニングもありました。中庭に面した足湯の先に露天風呂があるのではと思って裸で廊下を歩いて、従業員に注意された男子たち!それは金魚のいる池ですから。「聞くは一時の恥」という言葉を胸に刻みましょう。
着付けが苦しくて昼食をほとんど食べられなかった女子!他の子たちが食べているバナナ、クリーム、生八橋入りクレープにつられて、一個丸まま食べちゃうと歩けなくなるのは当たり前。「腹も身のうち」という言葉を贈ります。
旅行後、何人かの生徒に「何が一番楽しかった?」と問うてみた。部屋食がおいしかった。着付けの班行動が楽しかった。夜間拝観は初体験で面白かった。様々な答えが返ってきた。「でも一番は、友達と部屋で過ごしたことかな。」との答えには納得。みんな高校
生ですから。良い思い出ができて良かったね。
最後に、少なからぬ班では体調不良や和装の着崩れ、交通渋滞による予定の切り上げ等があったであろう中、どの班も無事宿に帰着した。班長中心にお互いを気づかい支えあったであろう生徒たちを褒めてあげたい。

(PTA会報一二月号より転載)